松本です。 問題提起、ありがとうございます。 > 武山さん Fuminobu TAKEYAMA wrote:
- 開発体制に問題があるとはいえ、ライセンス上は問題無い * 確かに openSUSE のポリシーには若干反している
-m17n や -factory にはポストしたことがあるんですが、これについて私が抱い ている懸念を補足させてください。 「開発体制に問題がある」とはどういうことかというと、現状で開発にコミット できるのは Google の社員だけに制限されている、という点です。 <off topic> そもそも彼らが開発しているのは「Google 日本語入力」であって、Mozc がメイ ンということではない。社外からの Mozc へのコミットを受け入れてしまうとい ろいろややこしいことになる…という理由からであろうと私は類推しています。 これにより、ソースは公開されていて、分かる人が見れば修正等のパッチを提供 することはできるはずなんですが、受け入れられません。以前開発者の話を聞い たことがあるんですが、開発チーム (= Google 社員) 以外の者が何らかの修正 を希望するなら、自然言語で「こうして欲しい」と要望を出してくれ、と言って ました。 これによりどういうことが起こる可能性があるかというと… - 各ディストリビューションでパッケージングする際にちょっとした修正が必要 となった場合、パッチ投げても取り込んでもらえないので、それぞれがパッ ケージングの際にパッチ当てるような形になっていく - 当然、Mozc 開発チームはそれぞれのディストリビューションでどんなパッチ 当てているか知らずに開発を進める - アップストリーム (Mozc 開発チーム) によって更新された部分と各ディスト リビューションで独自に当てているパッチ部分とでコンフリクト等が起こり、 問題が発生してしまう …という良くないストーリーが思いつくわけです。 なので、Mozc を採用するにはディストリビューション側にそういったことをケ アできるメンテナーがいるかどうかが重要で、逆を言うと、そういったメンテ ナーがいない状態だと上記のようなリスクがあるよ、ということになります。 Mozc の開発体制についての「好き嫌い」じゃなくて、最近良く耳にする「チャ イナリスク」じゃありませんが、ベネフィットとリスクをちゃんと評価しておか ないとまずいよね、ということです。 ということで、以下は私個人の意見 - 自分も Mozc 使っているので、「より簡単に」使える状態にできるようにする ということ自体については賛同できます - ただ、上記のようなリスクがあるので、ちゃんとメンテナーが定まらないよう ならデフォルト IME にすること、ましてや、その結果として代替となりうる Anthy などが外されてしまったりすることになったら危険だと思う (ある日突 然日本語入力ができなくなったりしたら致命的すぎる)
ポリシー以外の問題点としては - Mozc 自体と依存する zinnia の容量が大きいので factory に入れても大丈夫か? - spec ファイルにいくつかの問題が残っている という問題があります。
あと、メインに入るとなると、ディストリビューションリリース後はメンテナン ス & セキュリティアップデートのみが Update に上げられるだけで、基本的に はバージョンの更新はなしということになると思います。 その場合、M17N からは外してしまうのかどうか、ということを考えなければい けなくなりませんかね。 日本語 (正確には多言語) 関連のソフトを「メインだけ」で揃えるのは事実上不 可能だと思うので、openSUSE インストール後多くの人が M17N をインストール ソースとして追加することになるでしょうが、その時にメインにあるものと M17N にあるものとでバージョンが異なり、IBus 他の連携するソフトとの間で問 題が起こる可能性がありそうな気がします。「混ぜるな危険」状態になってしま わないかな…と。 -- _/_/ Satoru Matsumoto - openSUSE Member - Japan _/_/ _/_/ Marketing/Weekly News/openFATE Screening Team _/_/ _/_/ mail: helios_reds_at_gmx.net / irc: HeliosReds _/_/ _/_/ http://blog.zaq.ne.jp/opensuse/ _/_/ -- To unsubscribe, e-mail: opensuse-ja+unsubscribe@opensuse.org To contact the owner, e-mail: opensuse-ja+owner@opensuse.org