岩井@中の人です。 At Tue, 13 Feb 2007 23:04:40 +0900, 野宮 賢 / NOMIYA Masaru wrote:
野宮です.
MLでこういう話をしたくはないのですが....
結構本質的な話なので、たまには良いのではないでしょうか。
In the Message;
Subject : Re: [opensuse-ja] Re: SUSE10.3 の販売禁止? Message-ID : <45D181B71E0.F83CTAKEZOU040728@smtp.mail.yahoo.co.jp> Date & Time: Tue, 13 Feb 2007 18:15:35 +0900
[竹山さん] == takezou
has written: 椎原さん>> 仕事ではそれなりに英語を使いますが、 椎原さん>> PCに関することを英語でdiscussionとなるとまだまだハードルが高いですね.
竹山さん> 英語がロジカルな分 ロジカルで攻めるべきなんですよね。(基本姿勢は) 竹山さん> まずは、主張が 通る/通らない(本当は通ってほしいですけど) 竹山さん> に関係なく主張することから始まると思います。
竹山さん>>> むしろ、きちんとリベートができる/できない という要素の方が 竹山さん>>> 強いと思います。(そう点で、ちょっと日本人に不向き(一般論)) 竹山さん>>> 実生活でも教育上でもリベート能力を鍛える場ってあまりないような。
外国人とのディベートで肝要なのは.「自らのスタンスを明示する」ということだ と考えています.拙い英国滞在経験から.
オープンソースの開発では、ディベートって必要不可欠という訳ではないです よね。一番大事なのは「口を多く出すこと」であって、それが嫌なら「手を多 く出すこと」が必要になりますよね。 確かに、ML 上などで議論が行われて、ディベートもどきになることがありま すが、こういった行為は大抵の場合、単に議論のための議論といった無意味な 結果に収束しがちです。結局、だれか適当に implementation して終わり、と いうケースがほとんどです。つまり、手を出した人がエライ、ということです。 また経験上、開発者との間にも、「ディベート」はほとんど必要ありません。 むしろ必要なのは「交渉」です。交渉に関しては、「自らのスタンスを明示す る」というのは第1条件ですし、むしろそれからの駆け引きが大事になってく る訳です。 例えば、「dvitty で日本語のサポートを行わない」という返事が来た場合、 ・あえてもう一度サポートを懇願する ・別の日本語用のパッケージを提案する ・パッチを送ってサポート可能な証明を行う ・あきらめて Ubuntu を使う ・Novell を買収する などといった選択肢が存在する訳です。 つまり、バグはバグなのですから、さらに交渉の余地は十分存在する訳で、 そこからどういう戦術を採るかが問題になってきます。 例えば、だれを相手にしているか、というのも大事な要素になる訳ですから、 Bugzilla であれば、その手の知識のある人を Cc に強制加入して助っ人とし て巻き込むことも可能な訳です。 (…とはいえ、上記の話と「論理・非論理」とは全く別の次元の話ですね。 バグレポートなどでも論理的に報告、処理を進めるのは、必須事項ですし。)
日本語も意識して使うならば.十分に「論理的」ではないでしょうか? が,この場 合の「論理的」というのは,言うまでもなく,日本人的思考様式に於て,です.
御意。
ともあれ,日常生活に於ても「英国人の思考様式に適う形で自らのスタンスを明示」 するというのが必須で,これは,正直,「キツイ世界だなぁ〜」とつくづく感じま した.それでも,対等に付き合って貰えたか,ということは,未だに判然としません.
つまり,英国人と話をしていますと,「私たち英国人は,あなた方外国人をケアー する立場にある」という意識が如実に感じ取られ,それこそ鼻に付く程でした.そ こでは,「英国人の思考様式に副う形で自らのスタンスを明示」しなければ,一人 の人間として対等に扱って貰えず,況して.「これは日本人ならどう考える?」と 意見を求められない,というのが日常生活でした. この意味では.「自らのスタンスを露にしないのが日本流」だとも思っていまして, そういう風土で「果たしてディベート教育が可能なのか?」と疑問に思っています.
実は、野宮さんの書かれている英国の状況は、日本の状況の裏返しとも言えま すね。「自らのスタンスを露にしなくても理解できる」というのは、主体の持 つ考え方や方法のみを基幹としていることに他ならない、すなわち他の考え方 はその対象にはならない、ということを意味している訳ですから :-) 個人的には、ディベート能力よりも、交渉で負けない人を育てることの方が大 事だと思っています。その資質は似ているようで異なるものですね。
ともあれ,SuSEに関しては,日本語サポートに関するスタンスさえ明示して戴けれ ば,その土俵への乗り方も解る,という意味で,スタンスの提示を求める次第です. と,言いつつ,何処にこの声を上げれば良いのか.... (_ _? 勿論,開発陣に何名かの日本人が加わる,というのが最良の解決策であろうことは 重々承知しています.
確かに、日本語のサポートで多くの部分がかみ合ってない、というのは実状で しょうね。一番の問題は何といっても人手不足なのですが…。 特に TeX などは、最近使っている人が減少していっているため、余計にサポー トの不備が目立ったりする訳で。 (あと、Acroread とか Flash といったオープンソースの鬼門もありますね。 これらはライセンス絡みの話が付くので余計厄介なのです。) ML に文句を書くのは、フォローが付いて問題解決する場合には役に立ちます が、だれも反応してくれなかったり、せっかくの情報が埋もれてしまったり、 といった欠点もありますので、現在一番良いのは、結局せっせとバグレポート を送ることだと思います。(2ch でも同様ですね。) バグではなく、一般的なサポート情報であれば、opensuse.org の Wiki を充 実させる、というのが理にかなっているのでは。 あと基本的に、「日本語サポート」と「多国語サポート」の違いも意識する必 要があります。前者は localization が多く含まれるので、開発側からは嫌わ れる傾向がありますが、後者は internationalization (i18n) として行わな ければならない事項です。つまり、「dvitty に EUC-JP 出力を含める」とい うのと「dvitty を i18nize する」とでは、月とスッポンの違いがあるわけで す。 とかく、「日本語通れば何でもいいや、VINE だとそうやってるじゃん」といっ た感じで反論されることがありますが、openSUSE では、i18n を主軸に開発を 行う必要がある、と。 とはいえ、どこに出すにせよ、始めに書いたように、一番大事なのは「とにか く口を出すこと」だと思いますよ。
# 昨日,近くの書店に行きましたら.「日本人をネタにした世界のジョーク集」と # いったタイトルの本が置かれてあるのを観,滞英中にTVで観た日本人ネタのジョー # ク番組群を思いだ出し,複雑な気分になりました.
うーん、こっちで YouTube を見てて、タモリの4ヶ国麻雀のドイツ語を聞い
た時の気分と似ているのかも :-)
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Takashi Iwai