武山です opensuse-m17n の ML で話が進んでいますが、 以下のパッケージが 12.2 と Factory から消えてしまいました。 (2012/08/20 8:15), Luiz Fernando Ranghetti wrote:
edict (125777) edict-emacs (125778) gjiten (126216) javadict (126217) xjdic (126288) xyaku (126289)
原因は edict のライセンスに問題があったためで、 reject されていたことに気づきませんでした。 # ↑通知が来ないと分からないよ… これらのパッケージを使っている人はいますか? # edict は locale(ja) が付いているにもかかわらず、 # 容量が大きいので Live CD の敵というイメージしかありませんでした…。 edict 自体は CC SA v3 で配布されているので問題はありませんが、 同梱されている KANJIDIC と呼ばれる辞書ファイルが、 商用利用では対価を払わなければならないライセンスになっています。 かつて Mike Fabian 氏が特別に許可をもらったことで配布されてきましたが、 今後は SUSE のポリシーとして配布できないことになりました。 問題となっているのは KANJIDIC に含まれる SKIP と呼ばれる項目で、 Debian では P レコード(P<num>-<num>-<num>という形式で漢字の部首を表しているとか…) を独自に除去したファイルを用意してライセンス問題を回避しているようです。 実は、この P レコード以外にも、Z で始まり P で終わるもの (ZPP とか) があり、 自分にはこれらも SKIP の一部に見えます。 これが何を表すのかご存じの方はいないでしょうか? http://www.csse.monash.edu.au/~jwb/kanjidic_doc.html # Debian の開発者を信じれば、取り除く必要は無いことになりますが… その他にも、edict には今となってはライセンスが不明確な辞書ファイルが多数含まれており、 これらも除去しなければいけなさそうです。 -- Fuminobu TAKEYAMA -- To unsubscribe, e-mail: opensuse-ja+unsubscribe@opensuse.org To contact the owner, e-mail: opensuse-ja+owner@opensuse.org
松本です。 # もろもろケアしていただき、どうもありがとうございます。 > 武山さん Fuminobu TAKEYAMA wrote:
opensuse-m17n の ML で話が進んでいますが、 以下のパッケージが 12.2 と Factory から消えてしまいました。
(2012/08/20 8:15), Luiz Fernando Ranghetti wrote:
edict (125777) edict-emacs (125778) gjiten (126216) javadict (126217) xjdic (126288) xyaku (126289)
原因は edict のライセンスに問題があったためで、 reject されていたことに気づきませんでした。 # ↑通知が来ないと分からないよ…
これらのパッケージを使っている人はいますか?
どちらかというと、日本語ネイティブな人たち用ではなく、日本語を勉強しよう としている人たち向けのツールのような気がしますね。 使いどころを心得ている人にとっては重宝なツールなのだろうとは思うのです が、辞書については Web でいろいろツールが提供されてたりするので、自分が 翻訳作業をする際にもほとんど Web サービスを利用しちゃってます。 # オフラインで辞書ひきたいというケースが多い人には必須なのかなぁ…。
# edict は locale(ja) が付いているにもかかわらず、 # 容量が大きいので Live CD の敵というイメージしかありませんでした…。
edict 自体は CC SA v3 で配布されているので問題はありませんが、 同梱されている KANJIDIC と呼ばれる辞書ファイルが、 商用利用では対価を払わなければならないライセンスになっています。
EDRDG のサイトを見てみると、正確には KANJIDIC は CC BY-SA 3.0 で、 http://www.edrdg.org/edrdg/licence.html このページの 7. Special Conditions for the KANJIDIC, KANJD212 and KANJIDIC2 Files …セクションに、SKIP コードの著作権者は Jack HALPERN 氏で、商用アプリケー ションで SKIP コードを使いたい場合は氏から許諾を得なければいけない、とあ ります。 # SKIP コードのライセンスは CC BY-NC-SA 3.0 # http://www.kanji.org/kanji/dictionaries/skip_permission.htm とはいえ、 The SKIP codes may not be used in commercial applications without explicit written permission to do so by Jack Halpern. をそのまま訳すと 「Jack Halpern による明示的な書面による許諾なしで SKIP コードを _商用ア プリケーションで_ 使うことはできません」 となり、無償配布されるアプリケーション内にこのコードが入っていても CC BY-NC-SA 3.0 の条件に沿っていれば特に許諾を得なくても大丈夫なように読め るんですけれど、どうなんでしょうね…。
かつて Mike Fabian 氏が特別に許可をもらったことで配布されてきましたが、 今後は SUSE のポリシーとして配布できないことになりました。
edict パッケージの edict.changes を見ると、許可を得たのは2004年のことみ たいですね。Mike から経緯を聞いたことがあるわけではないのですが、2004年 というと SUSE 9.2 が出たころの話で、そのころは「商用版」(SUSE Linux Professional) が基本で、そこからライセンス的に再配布できないものを落とし たものを OSS 版として無償ダウンロードできるようにしていたはずです。なの で、まずは商用版に収録できないといけないので、許諾を得る必要があったとい うことでしょう。 現時点だと、openSUSE 単独で考えれば「商用」ディストリビューションではな いので、特に許諾を得ずとも収録可能なはず。問題になるとしたら、SLE でも openSUSE のメインリポジトリにあるものはそのまま取り込まれることになる…と いう事になっている場合、「商用」であるか否かで条件が変わってくるものが混 じっていると面倒だ、ということではないかと思います。 ただ、上述のように、SLE の基本パッケージとして配布されるにしても、それが すなわち「商用アプリケーションでの使用」にあたるのか…。
問題となっているのは KANJIDIC に含まれる SKIP と呼ばれる項目で、 Debian では P レコード(P<num>-<num>-<num>という形式で漢字の部首を表しているとか…) を独自に除去したファイルを用意してライセンス問題を回避しているようです。
実は、この P レコード以外にも、Z で始まり P で終わるもの (ZPP とか) があり、 自分にはこれらも SKIP の一部に見えます。 これが何を表すのかご存じの方はいないでしょうか? http://www.csse.monash.edu.au/~jwb/kanjidic_doc.html
# Debian の開発者を信じれば、取り除く必要は無いことになりますが…
edict パッケージの jack-halpern-copyright-mbox だけしか見ていないんですが、 https://build.opensuse.org/package/view_file?file=jack-halpern-copyright-mbox&package=edict&project=openSUSE%3A12.1&rev=2f00d6ea10a6f9ce5f38744da6fbe51f そこで問題となっているのは F<num> と P<code> についてだけのように見えま すね。
その他にも、edict には今となってはライセンスが不明確な辞書ファイルが多数含まれており、 これらも除去しなければいけなさそうです。
以前も、「(open)SUSE のライセンスガイドラインってどこかで参照できるよう になっているのか?」という話になったことがあるはずですが、その時は岩井さ んが「どこかにあったような…」という話をしてくれたところで終わってしまっ ていたように記憶しています。 公開されている情報だと http://en.opensuse.org/Restricted_formats http://en.opensuse.org/openSUSE:Build_Service_application_blacklist あたりになるのだろうと思うのですが、はっきりしないものを入れたい場合はど うしたらいいの?という問に対する答えはというと If you like to see a package included in NonFree, please open a bugreport against the distribution and supply information about the license. …と、Bug レポート挙げて要望出してね、ということみたいですね。 -- _/_/ Satoru Matsumoto - openSUSE Member - Japan _/_/ _/_/ Marketing/Weekly News/openFATE Screening Team _/_/ _/_/ mail: helios_reds_at_gmx.net / irc: HeliosReds _/_/ _/_/ http://blog.zaq.ne.jp/opensuse/ _/_/ -- To unsubscribe, e-mail: opensuse-ja+unsubscribe@opensuse.org To contact the owner, e-mail: opensuse-ja+owner@opensuse.org
(12/08/23 12:30), Satoru Matsumoto wrote:
EDRDG のサイトを見てみると、正確には KANJIDIC は CC BY-SA 3.0 で、 http://www.edrdg.org/edrdg/licence.html このページの 7. Special Conditions for the KANJIDIC, KANJD212 and KANJIDIC2 Files …セクションに、SKIP コードの著作権者は Jack HALPERN 氏で、商用アプリケー ションで SKIP コードを使いたい場合は氏から許諾を得なければいけない、とあ ります。 # SKIP コードのライセンスは CC BY-NC-SA 3.0 # http://www.kanji.org/kanji/dictionaries/skip_permission.htm
とはいえ、 The SKIP codes may not be used in commercial applications without explicit written permission to do so by Jack Halpern. をそのまま訳すと 「Jack Halpern による明示的な書面による許諾なしで SKIP コードを _商用ア プリケーションで_ 使うことはできません」 となり、無償配布されるアプリケーション内にこのコードが入っていても CC BY-NC-SA 3.0 の条件に沿っていれば特に許諾を得なくても大丈夫なように読め るんですけれど、どうなんでしょうね…。
BY-NC-SA を明記しているドキュメントもあったのですね。 http://www.kanji.org/kanji/dictionaries/skip_permission.htm ↓読んでいたこちら側は古いようです http://www.csse.monash.edu.au/~jwb/kanjidic_doc.html#IREF14
現時点だと、openSUSE 単独で考えれば「商用」ディストリビューションではな いので、 中略 公開されている情報だと http://en.opensuse.org/Restricted_formats http://en.opensuse.org/openSUSE:Build_Service_application_blacklist
きちんとメンテされていないのですが、このページでしょうか http://en.opensuse.org/openSUSE:Packaging_guidelines#Licences CC-BY-NC-SA は openSUSE では bad license に指定されています。 詳しくないので、間違っていたら教えて欲しいのですが、 例えばどこかの企業が openSUSE をサーバーと抱き合わせて販売したとすると、 NC に違反するのでしょうか? あとは openSUSE を edict をインストールして企業の業務に使った場合も? よく考えると、KANJIDIC から SKIP データを取り除くと、 KANJIDIC についているライセンスの例外条項を勝手に外してもよいというのも、 厳密には変な感じがしますね…。 配布元がSKIPを取り除いたデータを配布しているなら良いのですが…。 http://en.opensuse.org/openSUSE:Accepted_licences -- Fuminobu TAKEYAMA -- To unsubscribe, e-mail: opensuse-ja+unsubscribe@opensuse.org To contact the owner, e-mail: opensuse-ja+owner@opensuse.org
松本です。 Fuminobu TAKEYAMA wrote:
(12/08/23 12:30), Satoru Matsumoto wrote:
EDRDG のサイトを見てみると、正確には KANJIDIC は CC BY-SA 3.0 で、 http://www.edrdg.org/edrdg/licence.html このページの 7. Special Conditions for the KANJIDIC, KANJD212 and KANJIDIC2 Files …セクションに、SKIP コードの著作権者は Jack HALPERN 氏で、商用アプリケー ションで SKIP コードを使いたい場合は氏から許諾を得なければいけない、とあ ります。 # SKIP コードのライセンスは CC BY-NC-SA 3.0 # http://www.kanji.org/kanji/dictionaries/skip_permission.htm
とはいえ、 The SKIP codes may not be used in commercial applications without explicit written permission to do so by Jack Halpern. をそのまま訳すと 「Jack Halpern による明示的な書面による許諾なしで SKIP コードを _商用ア プリケーションで_ 使うことはできません」 となり、無償配布されるアプリケーション内にこのコードが入っていても CC BY-NC-SA 3.0 の条件に沿っていれば特に許諾を得なくても大丈夫なように読め るんですけれど、どうなんでしょうね…。
BY-NC-SA を明記しているドキュメントもあったのですね。 http://www.kanji.org/kanji/dictionaries/skip_permission.htm ↓読んでいたこちら側は古いようです http://www.csse.monash.edu.au/~jwb/kanjidic_doc.html#IREF14
現時点だと、openSUSE 単独で考えれば「商用」ディストリビューションではな いので、 中略 公開されている情報だと http://en.opensuse.org/Restricted_formats http://en.opensuse.org/openSUSE:Build_Service_application_blacklist
きちんとメンテされていないのですが、このページでしょうか http://en.opensuse.org/openSUSE:Packaging_guidelines#Licences
CC-BY-NC-SA は openSUSE では bad license に指定されています。 詳しくないので、間違っていたら教えて欲しいのですが、 例えばどこかの企業が openSUSE をサーバーと抱き合わせて販売したとすると、 NC に違反するのでしょうか?
あとは openSUSE を edict をインストールして企業の業務に使った場合も?
Creative Commons 自体は Commercial / Non-commercial の境界を明確には示し ておらず「はっきりしないなら権利者に問い合わせるか、営利目的で使っていい とはっきりしているライセンスのものを使いなさい」と、判断を投げちゃってま すよね。 http://wiki.creativecommons.org/FAQ#Does_my_use_violate_the_NonCommercial_cl... 営利企業と非営利団体のボーダーラインは結構はっきりしていますが、企業によ る非営利活動、NPO法人による営利(的な)活動というのもありうるわけで、いち いち権利者にボーダーラインを確認するのは現実的じゃないということで、 openSUSE としては CC BY-NC-SA を Bad License という扱いにしてしまおうと いうことなんでしょうかね…。 一般的には -- ここでは話を具体的にするために SKIP コードについてというこ とで話を進めます -- 「商用」と言った場合第一義的には SKIP コードそのもの を販売する行為、SKIP コードを組み込んだソフトウェアを販売する行為等のこ とを言うと思います。なので、それらを無償配布するという行為であればまず問 題にはならないでしょう。 ということで、openSUSE ディストリビューションに edict パッケージが同梱さ れていたとしても、それ自体がライセンス違反になることはないと考えます。 「どこかの企業が openSUSE をサーバーと抱き合わせて販売」については、おそ らく「本来は実際のユーザが行うべき openSUSE のインストールと設定を代行し するというサービスに対する対価を上乗せしたサーバー機を販売した」というこ とにするんじゃないでしょうか。例えばそれが SLES で、その企業というのが SLES のリセラーだとしたら「SLES を『販売』した」ということになるのだろう と思いますが、このケースなら「openSUSE そのものに価格を付けて売ったわけ ではない」と言い張れると思います。 「edict をインストールして企業の業務に使った場合」については、CC BY-NC- SA だけを見ると「営利目的使用」にあたると権利者が主張する可能性もあるよ うに見えますが、わざわざ The SKIP codes may not be used in commercial applications without explicit written permission to do so by Jack Halpern. と明記していることを合わせて考えれば、「商用アプリケーション内で利用する こと」 -- 商用のアプリケーションのコードに SKIP を組み込むこと、と理解す るのが自然だと思います -- と特定しているので、「許可無く企業の業務で使用 すること」を禁じているのではないと判断するのが妥当ではないでしょうか。
よく考えると、KANJIDIC から SKIP データを取り除くと、 KANJIDIC についているライセンスの例外条項を勝手に外してもよいというのも、 厳密には変な感じがしますね…。
確かに…。
配布元がSKIPを取り除いたデータを配布しているなら良いのですが…。
もう 12.2 には間に合わないにしても、M17N ML では「edict 使ってるんで、な くなると困る」というドイツ人も現れましたし、アップストリームにお願いして みましょうかねぇ。 -- _/_/ Satoru Matsumoto - openSUSE Member - Japan _/_/ _/_/ Marketing/Weekly News/openFATE Screening Team _/_/ _/_/ mail: helios_reds_at_gmx.net / irc: HeliosReds _/_/ _/_/ http://blog.zaq.ne.jp/opensuse/ _/_/ -- To unsubscribe, e-mail: opensuse-ja+unsubscribe@opensuse.org To contact the owner, e-mail: opensuse-ja+owner@opensuse.org
participants (2)
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Fuminobu TAKEYAMA
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Satoru Matsumoto