[opensuse-ja] openSUSE 戦略討論 (Strategy Discussion) : Linux ディストリビューションプラットフォーム戦略
松本です。 openSUSE を今後どのようにしていくかという「戦略」についての公開討論が昨 日7月27日より始まっています。 http://lists.opensuse.org/opensuse-project/2010-07/msg00376.html opensuse-project メーリングリストに登録していただければどなたでも討論に 参加することができます。 以下、皮切りとなる投稿(討論のたたき台)について、拙訳を付けておきます。 # 公式発表の元となる文案ゆえにややカタめの表現になっていますので、訳もや # や分かりにくくなっているとは思いますが、ご容赦を。 openSUSE をどう育てていくかは、「私たち」が決めていけることなのです。つ まり、「あなた」もその一人になれるのです。是非話の輪に加わって、openSUSE を「あなた(自分)の Linux ディストリビューション」にしていってください。 ======================================================================== みなさん、こんにちは! 本日より、愛すべきコミュニティのみなさんから寄せられた戦略提案についての 公開討論を始めていこうと思います。まず最初は「Linux ディストリビューショ ンプラットフォーム戦略」についてです: ---8<------8<------8<------8<------8<------8<--- === Linux ディストリビューションプラットフォームとしての openSUSE === == 目標 == プロジェクトとしての openSUSE の目標は、Linux と Linux 上で動くソフト ウェアを広範囲のユーザに配布するためのプラットフォームを提供していくこと です。このプラットフォームは、配布できるソフトウェアを作成するためのツー ル、基本かつ基準の実装となる openSUSE ディストリビューション、及び、ツー ルとディストリビューションをサポートするコミュニティから成ります。 openSUSE プラットフォーム世界の上には、openSUSE の基盤と技術を利用した、 より特化されたディストリビューションが存在します。例として挙げられるのは SLES、MeeGo、openSUSE Education、KDE 及び GNOME Live システムなどで、こ の他にも例えば開発者やクラウドを志向したディストリビューションなどが存在 しています。特定のユーザグループやニーズに応える手段として openSUSE はサ ブチームというものを提供しています。openSUSE はまた、Linux ベースのソフ トウェアを広めたり、openSUSE ディストリビューションやこれを基にしたシス テムでソフトウェアが簡単に使えるようにするための、ユーザの環境に左右され ないソフトウェア配布手段も提供しています。 openSUSE ディストリビューションは、使われる技術をテストする環境の提供、 一般的なコンポーネントの地固め、技術を利用したり Linux ソフトウェアを配 布するといった実生活での使用という、基準ディストリビューションとしての役 割を担っています。ターゲットとして想定しているのはプログラマやシステム管 理者など、技術的なことに興味を抱いているユーザたちです。焦点を当てている のは良いユーザ体験であり、エンドユーザがテクノロジーを利用できるようにす ることです。高度に特化されたニーズを持つユーザたちについてはターゲットと して想定していません。 == 活動 == = 要点 = * ディストリビューション構築の土台となりうる、サポートされたコアパッケー ジからなる安定したセットの提供 * コンポーネントとプラットフォームの広汎なハードウェアサポート * パッケージやディストリビューションを構築したりテストするためのツールの 提供 (例: openSUSE Build Service) * 例えばインストーラ、設定ツール、メンテナンスツール、Web 開発ツール、ネ イティブ及びその他アプリケーションなどといった、ディストリビューション 用の一般的な構成ブロックの提供 * 例えばバグトラッカー、Wiki、メーリングリスト、コラボレーションツールと いった、コミュニティ全体や特定の openSUSE チームがやり取りできる場の提 供 * 基準となる実装としての公式 openSUSE ディストリビューションの作成 * 特定のチームが彼ら自身のディストリビューションを作成できるようにし、そ れをサポートしたりチームと協力し合ったりする * アップストリームの開発者たちが openSUSE で彼らのソフトウェアを構築した り配布できるようにし、それをサポートしたり彼らと協力し合ったりする = 持つべきもの = * 更に活用していくための広範囲にわたるパッケージの提供 * ユーザをサポートするためのコミュニティ * 異なるコンポーネントが組み合わせ易くなるよう、例えば free desktop standards などといった標準に基づいた作業 * 他のディストリビューションプラットフォームとの協力 = 考慮の対象外 = * 技術的な知識の全くないエンドユーザ向けに洗練されたディストリビューショ ンを直接提供していくこと * ブリーディングエッジなテクノロジー ---8<------8<------8<------8<------8<------8<--- Pavol RUSNAK ======================================================================== -- _/_/ Satoru Matsumoto - openSUSE Member - Japan _/_/ _/_/ Marketing/Weekly News/openFATE Screening Team _/_/ _/_/ mail: helios_reds_at_gmx.net / irc: HeliosReds _/_/ _/_/ http://blog.zaq.ne.jp/opensuse/ _/_/ -- To unsubscribe, e-mail: opensuse-ja+unsubscribe@opensuse.org For additional commands, e-mail: opensuse-ja+help@opensuse.org
松本です。 討論は現在進行中ですが、出てきている話の中で「私自身が興味をもったもの」 をいくつかピックアップしてみたいと思います。 なお、あくまで私というフィルタを通しての話ですので、詳しくは以下から始ま るスレッドをご覧いただくようお願いします。 (2010/07/28 16:38), Satoru Matsumoto wrote:
openSUSE を今後どのようにしていくかという「戦略」についての公開討論が昨 日7月27日より始まっています。
http://lists.opensuse.org/opensuse-project/2010-07/msg00376.html
======================================================================== みなさん、こんにちは!
本日より、愛すべきコミュニティのみなさんから寄せられた戦略提案についての 公開討論を始めていこうと思います。まず最初は「Linux ディストリビューショ ンプラットフォーム戦略」についてです:
---8<------8<------8<------8<------8<------8<---
=== Linux ディストリビューションプラットフォームとしての openSUSE ===
== 目標 ==
プロジェクトとしての openSUSE の目標は、Linux と Linux 上で動くソフト ウェアを広範囲のユーザに配布するためのプラットフォームを提供していくこと です。このプラットフォームは、配布できるソフトウェアを作成するためのツー ル、基本かつ基準の実装となる openSUSE ディストリビューション、及び、ツー ルとディストリビューションをサポートするコミュニティから成ります。
openSUSE プラットフォーム世界の上には、openSUSE の基盤と技術を利用した、 より特化されたディストリビューションが存在します。例として挙げられるのは SLES、MeeGo、openSUSE Education、KDE 及び GNOME Live システムなどで、こ の他にも例えば開発者やクラウドを志向したディストリビューションなどが存在 しています。特定のユーザグループやニーズに応える手段として openSUSE はサ ブチームというものを提供しています。openSUSE はまた、Linux ベースのソフ トウェアを広めたり、openSUSE ディストリビューションやこれを基にしたシス テムでソフトウェアが簡単に使えるようにするための、ユーザの環境に左右され ないソフトウェア配布手段も提供しています。
openSUSE ディストリビューションは、使われる技術をテストする環境の提供、 一般的なコンポーネントの地固め、技術を利用したり Linux ソフトウェアを配 布するといった実生活での使用という、基準ディストリビューションとしての役 割を担っています。ターゲットとして想定しているのはプログラマやシステム管 理者など、技術的なことに興味を抱いているユーザたちです。焦点を当てている のは良いユーザ体験であり、エンドユーザがテクノロジーを利用できるようにす ることです。高度に特化されたニーズを持つユーザたちについてはターゲットと して想定していません。
ここで「基準」と訳している元の単語は「reference」なんですが、この意味が ちょっとあいまいではないか?という話が出ています。
== 活動 ==
= 要点 =
* ディストリビューション構築の土台となりうる、サポートされたコアパッケー ジからなる安定したセットの提供 * コンポーネントとプラットフォームの広汎なハードウェアサポート
これは、現在サポートされていない非 Intel 系アーキテクチャーもサポートし ていくってこと? という質問が投げられてますね。
* パッケージやディストリビューションを構築したりテストするためのツールの 提供 (例: openSUSE Build Service) * 例えばインストーラ、設定ツール、メンテナンスツール、Web 開発ツール、ネ イティブ及びその他アプリケーションなどといった、ディストリビューション 用の一般的な構成ブロックの提供 * 例えばバグトラッカー、Wiki、メーリングリスト、コラボレーションツールと いった、コミュニティ全体や特定の openSUSE チームがやり取りできる場の提 供
ここで「場」と訳した元の単語は「home」なんですが、現在はソースコードを管 理していけるような「場」がないと指摘されています。
* 基準となる実装としての公式 openSUSE ディストリビューションの作成 * 特定のチームが彼ら自身のディストリビューションを作成できるようにし、そ れをサポートしたりチームと協力し合ったりする * アップストリームの開発者たちが openSUSE で彼らのソフトウェアを構築した り配布できるようにし、それをサポートしたり彼らと協力し合ったりする
= 持つべきもの =
* 更に活用していくための広範囲にわたるパッケージの提供 * ユーザをサポートするためのコミュニティ * 異なるコンポーネントが組み合わせ易くなるよう、例えば free desktop standards などといった標準に基づいた作業 * 他のディストリビューションプラットフォームとの協力
= 考慮の対象外 =
* 技術的な知識の全くないエンドユーザ向けに洗練されたディストリビューショ ンを直接提供していくこと
予想はしていましたが、このへんが一番議論の的になりそうです。かなり乱暴に 言ってしまうと「Ubuntu は二ついらないんじゃないの?」ということだと思う のですが、読み方によっては「初心者お断り」宣言のようにも読めてしまう。 「万人向けの」と言うことは簡単ですが、ではどうすれば「万人向け」となるか を考えると簡単な話ではない。「初心者に優しい」は、ともすれば「慣れている 人にとっては『余計なお世話』」になりやすいものですから。
* ブリーディングエッジなテクノロジー
これもまた議論の的になってます。簡単に言ってしまうと「今日のブリーディン グエッジは明日のスタンダード」なんじゃないの? ということですね。まぁこ れは「人柱ディストリビューションにはしない」ということなんでしょうから、 「まだ安心してお勧めできないものについてはデフォルトにはせず、オプション として提供する」(11.3 における Btrfs みたいな感じ)ということで落ち着きそ うではあります。
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Pavol RUSNAK ========================================================================
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