松本です。 まず最初に、気分を害してしまっていたのであれば、申し訳なかったです。 で、(^0^) だとか (笑) だとか、けして(嘲笑)(冷笑)(失笑)というという意味で 使っていたわけではないということは既に分かってもらえているだろうというこ とで、細かい申し開きのようなことは省略します。 # ていうか、(^0^) だとか (笑) だとかって、「そのまま言い切ってしまうと避 # 難、批判と受け取られかねないことに付けて『いや、けしてそんなに深刻な話 # じゃないですから』と和らげるような意味で使うもの」とばかり思ってたんで # すが、一般的にはそうじゃないんでしょうかね? そして、単に気分を害した、というだけの話であれば直で文句を言えば済む(そ れができないような関係じゃないですよね?)ところを、あえてこちらに投げた という小笠原さんの意図を汲んで、いくつか考えているところを書いてみます。 【Weekly News を翻訳する意義】 これは、「私にとっての」という意味です。 現在、openSUSE に関わることのほとんどについては、情報は公開されています し、意見がある場合は「言うべき場所」も用意されています。…ただし、英語で の読み書きが苦にならなければ、という条件付きで。 実際、news.o.o や Planet SUSE、lizards.o.o をこまめに読みにいき、複数の ML に登録して毎日数百通届くメールを読み、複数の IRC チャンネルに入ってや りとりを眺め、Forum のスレッドを追いかけ、Bugzilla や openFATE でバグや フィーチャーがどう処理されていくかトレースしていけば、どこで何がどうなっ ているのか、だいたいのことは分かるようになります。 でも、現実問題として、ほとんどの人にとってそれは不可能でしょう。 そこで私は、「日本の openSUSE ユーザ/興味を持っている人の耳にも届けてお いた方がいいよな、と思えるような情報は、できるだけ紹介していく」ことを自 分のタスクとして割り当ててみました。Weekly News の翻訳は、そのための一番 効率的な手段となるのではないかと。 この目的を達成するということだけを考えるなら、一人で黙々と翻訳していくと いう選択肢もなくはないです。…でも、それじゃあもったいない、と思ってしま う。関わってくれる人たちにとってどんなメリットが考えられるか、については これまでも何度かやりとりしていますし、人それぞれだろうからここでは繰り返 しませんが、みんなでワイワイやれればもっと楽しめるのに、それをハナから諦 めてしまってはもったいない、と。 あと、「細かい申し開きのようなことは省略します」とは言ったものの、
しかしこの一言は必要でしょうか? について。
純粋にですね、コメントつけたりしても誰も読んでくれないようなら、俺って無 駄なことやってるの?というニュアンスです。 小笠原さんもしばしば「俺って何かの役に立っているのかな」というようなこと をつぶやかれたりしてますよね。きっと誰もが同じような思いにとらわれること があると思います。私だって同じです。毎日毎日「これって一人相撲?」「単な る自己満足?」という思いが浮かび、くじけそうになる。そこでなんとか踏みと どまれるのは、上で書いたように「自分のタスクとして割り当て」たという、誰 から強制されたわけじゃなく、自分でそう決めたんでしょ?ということと、もう 一つ大きな要素として、たとえどんなにちっぽけだったとしても、誰かの役には 立っているという実感が得られるからだと思うのです。
別の言い方をすれば、だれもが松本さんみたいにはなれないんです。
…これはあまりに過大評価されているというか。そんなスーパーマンじゃないで すよ。 私だって Linus になれるわけでも、RMS になれるわけでもない。でも、その考 え方ややり方で共感できるところ、見習えるところがあるなら、自分なりに咀嚼 したうえで、自分なりのやり方でやってみることって、誰でもできるんじゃない かとは思うんですが、どうでしょうか? # いや、もちろん私を見習えなんていうことを言ってるんじゃありません。 【「Have a lot of fun !」について】 これも、あくまで私の考え方です。 実際にコミュニティ、プロジェクトを回していくためには、必ずしも楽しいとは 言えないことを、誰かがやらなければいけない、ということも出てきてしまいます。 「これ、やっとかなきゃまずいよね」ということは誰もが分かっていて、でも、 実際にやるとするととてつもなく手間がかかるということも分かっている。…そ ういった面倒なことを「楽しい」と言って引き受けてくれるような奇特な人が出 てきてくれればいいんですが、そういう人がいないなら、その問題は放置してお くしかないと諦めるしかないんでしょうか。そこから先は、例えばお金で解決す るしかないんでしょうか。 誰にとっても楽しいと思えることってなかなかないとは思うんですが、誰にとっ ても「これってきっとあまり楽しいことじゃないよね」ということは割と分かり 易いんじゃないかと思います。 そんな時、「でもさ、こんな感じでやっていけば、ちょっと楽しくならない?」 みたいな発想が持てれば、楽しめる可能性も出てくるのではないかと。そして、 一番楽しめる可能性が高いのは「一人で全部背負い込んでやろうと思うと苦痛な だけだけど、他の人と協力しながらできればやりがいや面白さが格段にアップす る」というアプローチなのではないかと思うのです。 もちろん、誰からもわずらわされることなく自分だけのペースでやっていくほう が楽しい、という人もいるかと思いますが、だとしても、誰も自分のやったこと に興味を示してくれなかったら、やはりあまり面白くはないのではないかと。 で、自分なりにたどり着いた結論。 「Have a lot of fun !」というのは、「楽しいことだけやっていればいい。後 はどうでもいい」ということを言っているのではなく「こうすれば楽しめる、あ るいはもっと楽しくなるという方法をみんなで考え、共有していこう!」という ことだろう、と。 【「敷居を下げる」ということについて】 まず最初に、先日 Zonker から「議論を進める上で、これを知っておくときっと 役に立つよ」と進められたメソッド、「The Six Thinking Hats」を紹介してお きます。 # あまり検索していないんですが、とりあえず以下辺りを参考にしてみると # おおまかな趣旨は分かると思います。 # http://www.b-cafe.net/casting-blog/2008/06/000323.php # http://shinnoji.tumblr.com/post/219108220/six-thinking-hats-sth-edward-de 要は、議論している時に自分(達)が今どんなモードになっているか理解しておく と、無用な混乱を避けることができるよ、ということなのですが、
松本さんが私たちのことを考えてくださってるということは頭では理解 できてますから、一瞬カチンときてもクールダウンできますから。 ただ、このような発言が、コミュニティへの敷居を上げているように 感じたので、コメントさせていただきました。向上を目指すのはいい ですが、fun じゃなくなったら困る……。
…というあたり、小笠原さんの被っている帽子はどちらかというと「赤い帽子: 直感・感情」かな、と思いますので、以下、私も赤い帽子を被ります。 # これは、理性では分かっているんだけれど感情的には納得しきれていないこと # があるんだったら、それを押し殺すんじゃなく、あえて吐き出してしまおう、 # ということです。それによってすっきりできればしめたもんだし、お互いに相 # 手の心情を理解するチャンスにもなる。ハタから見ると喧嘩しているように見 # えてしまうかもしれないけれど、お互い「今は赤い帽子を被っている」と承知 # しておけば、フレームになることもない。…そして、ここで吐き出しちゃった# 方がいいものは吐き出して、次の「黄色い帽子:利点・ポジティブな面を思 # 考」や「緑色の帽子:アイデアを出していく」に進もうじゃないかという、非 # 常に前向きな発想です。 「できるところをできるだけやってくれればそれで OK です。無理しないでいい ですよ」と、言うだけだったら簡単なことです。でも、そう言えるのって「…あ とは何とかこちらでしますから」という前提があるからこそなんじゃないかと。 逆を言うと、お膳立てやら後始末やらは引き受けるから、という覚悟も責任感も ないような人に「いいんですよ、やれるところだけで」と言われてしまうと、正 直カチンとくる。「いいんですよ、やれるところだけで」の後に続くのが「…あ とは私がやっておきますから」ならばとてもありがたいんですが、「…後は誰か がやってくれるから」だとしたら、その「誰か」って誰さ? って思ってしまう。 OWN の翻訳という作業だけに限ってみても、私が「できるところをできるだけ やってくれればそれで OK です。無理しないでいいですよ」と言っている場合、 それは、お膳立てとか最後の仕上げとかモロモロ手間のかかるところは私が引き 受けるから…と覚悟しているからです。みんな時間がとれなくて手が回らないよ うなら、最終的には私が見ますからいいですよ、と。 それと「敷居を下げる」ことに対して、具体的に提案って出てきているのかな?と。 例えば、別メールで翻訳サブチームの皆さん宛に「EtherPad ってのがあるんだ けど、これ使えないかな?」と投げたました。これは、現在のように Gobby で 進める形だと、ちょっと興味があるんだけれど…という人に試しに覗きに来ても らうためには、接続情報を伝えるためにまずコンタクトしてもらう必要があり、 そこの部分で既に敷居が高く感じてしまうかもしれないな、と思い、そこをなん とかする方法がないかと探しているうちに見つけたものだったりします。 # Gobby 最大の弱点である「Undo」が効かない、という部分で、接続情報を完全 # に公開してしまうと、悪戯されちゃったりしたら困る、ということがある。 # これが、EtherPad であれば Undo が効くので、接続先を公開してしまって、 # いつでも誰でも気が向いたときに様子を見にきてもらうことができるのではな # いかと考えたから。 でも、その提案に対して、反応が返ってこない…。「このような発言が、コミュ ニティへの敷居を上げている」というような反応は返ってくるのに、ね。 …ということで、ここからは「赤い帽子:直感・感情」を脱いで「緑色の帽子: アイデアを出していく」を被り直します。 OWN に限らず、具体的に何をすれば敷居を下げることになるのでしょうか? あ るいは、何をしないことが? openSUSE に限定することなく、何かのコミュニティ(あるいは、そのような集ま り)で、こんな感じでやってみたら人が集まってきたよ、とか、自分がそういっ た集まりに加わることになったのは、こんなことがきっかけだった、とか。 OWN でも紹介した Zonker のブログで、「エンドユーザーを惹きつけるのは、 free ではなく、benefits だろう」ということが書かれています。エンドユー ザーを惹きつけるには、ということであれば私もまったく同意なのですが、で は、コントリビューターを惹きつけるものって何? あるいは、コントリビュー ターにとっての benefits って何? そういうアイデアやヒントが出てくれば「じゃあ、試しにやってみようか」とい う具体的なアクションにつながっていくと思うんですよ。 どうでしょうか? 最後に。 小笠原さんの比じゃないくらい超長文になりましたが (^ ^;)、小笠原さんがこ うして指摘してくれたこと、とてもありがたいことだと思ってます。 別に自分の得になるわけでもないし、下手をすれば反感を買われてしまうかもし れないことになるかもしれないのに、それでも時間をかけてリプライしてくれ る…そういう人がいてくれるということが、私のモチベーションを支えてくれる 最大の要素です。…そして、そういう人が増えていってくれることが、私にとっ ての最大の benefit です。 どうもありがとう。 -- _/_/ Satoru Matsumoto - openSUSE Member - Japan _/_/ _/_/ Marketing/Weekly News/openFATE Screening Team _/_/ _/_/ mail: helios_reds_at_gmx.net / irc: HeliosReds _/_/ _/_/ http://blog.geeko.jp/author/heliosreds _/_/ -- To unsubscribe, e-mail: opensuse-ja+unsubscribe@opensuse.org For additional commands, e-mail: opensuse-ja+help@opensuse.org