さて、こちらが本題です。
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Subject: [opensuse-ja] 【雑感】ブログ記事の信頼性、日本語情報の増やし
方、などなど
From: Naruhiko Ogasawara
私が今井さんのメールを最初に読んだときに、表題からある意図を 感じました。 それは今井さん自身の意図と一致しているかどうかは分からないの ですが、ぼくとしては、
「あるブログに書いてあることが正しいのかどうか微妙な場合、それ にどういう反応をすべきなのか」
ということなのかな、と思ったのです。
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ぼくの関心事は、
「ブログの記事の正確性をみなさんどうやって判断してますか?」 「自分がブログを書く場合、どんなことに気をつけてますか?」 「不正確だと思った場合はどのように対応してますか?」 「不正確な情報が広まらないようにするにはどうしますか?」
といったことなんでして、そういう議論になるのかなーと思ったんです。
ブログに限らず、インターネット上、いや、世の中に流れている情報のほとんど について言えると思いますが、その信頼性というものは基本的には担保されてい ない、と考えるべきだと思います。本当かもしれないし、全部もしくは一部不正 確な情報となってしまっているかもしれない、あるいは、ある特定の条件が当て はまった場合にのみ真であるということかもしれない…それを判断するのは受け 取る側の責任で、それを鵜呑みにして何か問題が発生しても、それは鵜呑みにし た本人の責任ということになるのではないでしょうか。発信する側の理解、説明 不足に起因して結果的に間違った内容になってしまっている場合に限らず、発信 側が悪意をもって意図的に誤った情報を流しているのだとしても、それに引っか かってしまったら、それは引っかかってしまった者の責任だ、ということにする しかないと思います。 私は長いこと出版社で雑誌編集の仕事をしてきて、いわゆるマスコミ側の視点で 情報の流れ方というものを眺める機会も多かったのですが、インターネットが登 場してきたときに真っ先に感じたのは「これからは個人が不特定多数に向けて情 報を発信していく時代になる」ということでした。良い/悪いではなく、そう なっていくのが必然だ、と。 インターネットというメディアは誰でも好きな時に自由に情報を発信できるメ ディアですから、発信する側に正確性を求めてもおそらく効果はない。極端な 話、嘘八百並べ立てているブログがあったとしても、それが名誉毀損や業務妨害 に当たらない限り責任を問うことは不可能でしょう。 少なくとも、発信側に向かって「正確じゃない情報はタレ流すな!」と求めても 無理というもの。 受け取る側がフィルターを用意し、そのフィルターをより精度の高いものに研ぎ すませていくしかないのです。 とはいえ、たとえば Linux を最近使い始めたような人にはまだそのようなフィ ルターはできていないと思いますから、全部「自己責任」としてしまうのも酷か もしれません。 だからこそ、メーリングリストやフォーラムが大切になってくるのだと思いま す。仮に最初は不正確な情報が流れたとしても、多くの人の目に触れることによ り、間違いに気がついた人からの修正情報が提供され、結果的にそれなりに信頼 できる情報にまとまっていく…少なくともそうなっていく可能性がある、と。 公式 Wiki にしても、必ずしもその正確さが担保されているというわけではあり ません。アカウントさえ登録すれば、一部のページを除いて誰でも好き勝手に編 集してしまえますし、新規にページを作ることも可能です。信頼できる情報なの か確認するためには、履歴を見て、誰が書いたものなのかまで追わないといけな いでしょうし、それが分かったところでその筆者が信頼に足る知識・情報を持っ ているのかどうか判断するには、ML や その他のチャンネルなどでのその筆者の 言動を眺めてきている必要がある。…まぁ、Wiki なので「おかしい」と思ったら 「あなた」が修正することもできるんですが。
で、もし私がユーザで、この問題で困っていたとしたら、たぶん松本さん がやったような検索をしたと思います。 それは、ぼくが英語ができるからではまったくありません。 ぼくは英語が大っ嫌いだし、可能ならば読みたくないです。 けど、悲しいかな、日本語の情報で上記の1〜3を満たすような正確な 情報というのは非常に少ない。ので、泣く泣く英語で調べるわけです。
でも、しない人たぶん多いですよね。 日本語ひっかかったらそこで止まる人多いですよね。
皆さんにも浅からぬ縁のある Joe Blockmeier の記事。
More Bad English, Please http://ostatic.com/blog/more-bad-english-please http://blog.tobinaka.com/index.php?itemid=476 (ja)
ですら、紹介されたときには「という記事を英語で書かれても……」という 反応をする人がいたぐらいです。
openSUSE ウィークリー・ニュースの今週号(第118号)で紹介されている Andrew Wafaa のポスト http://ja.opensuse.org/OpenSUSE_Weekly_News/118#Andrew_Wafaa:_.E3.82.B3.E3.8... 及び、Henne Vogelsang のポスト http://ja.opensuse.org/OpenSUSE_Weekly_News/118#Henne_Vogelsang:_.E3.82.AC.E... も合わせて読んでいただけたら、と思います。 一部分を抜粋した訳しか載せていませんが、どちらの主旨も「誰かがやってくれ るのを待っていても、何も変わっていかない。あなたにとっての『こうなったら いい』を実現できるのは、あなただけなのです」ということになると思います。 とはいえ、実際にアクションを起こそうと思ったら、とりあえず英語でネゴらな ければいけなくなることが多い(…というか、ほとんどそう)のも確か。そこで、 小笠原さんの紹介してくれた Zonker の話を読んでみてもらいたいわけです。 # ちなみに、これにかこつけて宣伝します。 # もし「もうちょっと英語力があればなぁ…」と思ってらっしゃるようでした # ら、ウィークリー・ニュース翻訳の様子を一度眺めにきてみませんか? # 英語のみならず、IT 関連の用語や openSUSE プロジェクトがどのように動い # ているのかなどについてもきっと勉強になると思います。
じゃあどうすればいいのと。 一つはここ (ML) で頑張る。英語のフォーラムでも、単に紹介するのではなく キーポイントを訳して、検索で引っかかるようにする。 一つは Wiki とかで正しい情報を集めていく。 一つは自分のブログで丹念に情報を発信していく。
このへんは全て「自分(達)さえ良ければ」なのか「どうせならみんな(一人でも 多くの人)が幸せになれたらいいよね」なのかによるんでしょうね。 また、自分にはそんな知識もスキルも文才も根性もないから…という人であって も、実はできることがあるということを忘れないでいてほしいです。 それは、そういう努力をしてくれている人たちに素直に感謝の念を伝える、とい うことです。できる/できないで言えば、これができないという人はいないと思 うのですが、いかがでしょうか。 想像してみましょう。良かれと思って何か情報を発信したとします。それに対し て「つまらないこと書くな」とか「不正確な情報タレ流すんじゃない」とか「そ れだけの情報じゃ何も分からん」といった反応ばかりが返ってきたら、モチベー ションは下がるだけだと思いませんか? あなたが何か情報を発信するとした ら、そういう声が多く寄せられることを期待しますか? これが「興味深い情報 を紹介してくださってありがとうございます。ですがちょっと気になる部分があ りましたので…」から始まれば、相手の反応は全く違ってくると思いませんか?
あと、openSolaris のコミュニティで話題になったことなのですが、勉強会の 資料や企業公式の資料というのは非常に有用で正確な情報である。 でもみんな PDF を公開して終わりにしてしまう。 そうするとどうしても SEO 的に、ブログとかに勝てない。 結局、正しい情報が伝わっていかない。
だから、せめてサマリやアブストラクトはつけて公開しましょうよ、と。
openSUSE とは関係ないことを、しかも脈絡もなくダラダラかいてしまって すみません。 この手のことでずーっと悩んでいるもので……。
上でも書きましたが「自分(達)さえ良ければ」であれば openSUSE のことだけ考 えて終わりになります。でも、こういうことって一つのコミュニティ/プロジェ クトの枠にとらわれる必要など全くないことで、最終的にどういう方法を選ぶか は別問題としてアイデアが多く集まって困ることはないわけですから、共有でき るものはどんどん共有していっていいと思うのです。 …ということで、単なる「雑感」返しでしかありませんでしたが。 -- _/_/ Satoru Matsumoto - openSUSE Member - Japan _/_/ _/_/ Marketing/Weekly News/openFATE Screening Team _/_/ _/_/ mail: helios_reds_at_gmx.net / irc: HeliosReds _/_/ _/_/ http://blog.zaq.ne.jp/opensuse/ _/_/ -- To unsubscribe, e-mail: opensuse-ja+unsubscribe@opensuse.org For additional commands, e-mail: opensuse-ja+help@opensuse.org