野宮です. In the Message; Subject : Re: [opensuse-ja] Re: SUSE10.3 の販売禁止? Message-ID : <s5hr6suc6of.wl%tiwai@suse.de> Date & Time: Tue, 13 Feb 2007 18:24:00 +0100 [岩井さん] == Takashi Iwai <tiwai@suse.de> has written: 小生>> MLでこういう話をしたくはないのですが.... 岩井さん> 結構本質的な話なので、たまには良いのではないでしょうか。 .....<(_ _)> 小生>> 外国人とのディベートで肝要なのは.「自らのスタンスを明示する」ということだ 小生>> と考えています.拙い英国滞在経験から. 岩井さん> オープンソースの開発では、ディベートって必要不可欠という訳ではないです 岩井さん> よね。一番大事なのは「口を多く出すこと」であって、それが嫌なら「手を多 岩井さん> く出すこと」が必要になりますよね。 はい,仰る通りです. って.言うか,自分の希望を叶えて貰う為には論争しなければならない,と言われ ますと.引いてしまいます.何せ,力量がないものですから.^^;; 岩井さん> また経験上、開発者との間にも、「ディベート」はほとんど必要ありません。 岩井さん> むしろ必要なのは「交渉」です。交渉に関しては、「自らのスタンスを明示す 岩井さん> る」というのは第1条件ですし、むしろそれからの駆け引きが大事になってく 岩井さん> る訳です。 よく解ります. 岩井さん> 例えば、「dvitty で日本語のサポートを行わない」という返事が来た場合、 岩井さん> ・あえてもう一度サポートを懇願する 岩井さん> ・別の日本語用のパッケージを提案する 岩井さん> ・パッチを送ってサポート可能な証明を行う 岩井さん> ・あきらめて Ubuntu を使う 岩井さん> ・Novell を買収する 岩井さん> などといった選択肢が存在する訳です。 dvi2tty 限定の話なのか.疑心暗鬼になっていたのは事実です. が,ご主旨,よく解ります. でも,何故,SuSEに代わるものが Ubuntu なんでしょうか? この話,opensuse ML でも出ていましたが. 岩井さん> つまり、バグはバグなのですから、さらに交渉の余地は十分存在する訳で、 岩井さん> そこからどういう戦術を採るかが問題になってきます。 岩井さん> 例えば、だれを相手にしているか、というのも大事な要素になる訳ですから、 岩井さん> Bugzilla であれば、その手の知識のある人を Cc に強制加入して助っ人とし 岩井さん> て巻き込むことも可能な訳です。 なるほど. 岩井さん> (…とはいえ、上記の話と「論理・非論理」とは全く別の次元の話ですね。 岩井さん> バグレポートなどでも論理的に報告、処理を進めるのは、必須事項ですし。) はい,別の話です. 一般論として,他の人と議論する場合の前提の話です. 小生の経験から,相手のスタンスが解れば,論理的,非論理的の何れを問わず,議 論の組み立て方が見えることが多い,という話です.日本語であれ,英語であれ, 論理的というのは,seeming resonable 若しくは,seeming sensible といったもの だと考えています. 岩井さん> 実は、野宮さんの書かれている英国の状況は、日本の状況の裏返しとも言えま 岩井さん> すね。「自らのスタンスを露にしなくても理解できる」というのは、主体の持 岩井さん> つ考え方や方法のみを基幹としていることに他ならない、すなわち他の考え方 岩井さん> はその対象にはならない、ということを意味している訳ですから :-) はい,そのように思っています. 滞英中,ある席でガーナの婦人が, 「あなた方英国人は,私達から言葉と文化を奪った!」 とある英国婦人に言い放ちましたら,当のご婦人は, 「私達は,あなた方に言葉を教え,文明を齎した(cultivate)じゃないの」 と切り返しましたが,ここに英国人の外国人に対する「基本的なスタンス」が如実 に現れている,と思い至ったのを今でも明瞭に覚えています.ただ,米国人に対し ては,たとえ初対面であっても非常に親密な態度を見せ,それを目の当たりにした 時には,やはり,ショックを受けました. 岩井さん> 個人的には、ディベート能力よりも、交渉で負けない人を育てることの方が大 岩井さん> 事だと思っています。その資質は似ているようで異なるものですね。 そうですね. 「ディベート」というと,やはり,アグレッシブな印象を受けますし. 第一,英国人と議論をして,「口角泡を飛ばして」という人はいませんでした. 取り分け,交渉に関しては,非常にフェアーな態度をとるなぁ〜と感心させられた ことがあります.相手は,小生のコートに誤って大きな焦げを付けた洗濯屋さんで したが, 岩井さん> 確かに、日本語のサポートで多くの部分がかみ合ってない、というのは実状で 岩井さん> しょうね。一番の問題は何といっても人手不足なのですが…。 なるほど.竹山さんは,このことをご承知の上でアドヴァイスをして下さって居た わけですね.m(_ _)m. 岩井さん> 特に TeX などは、最近使っている人が減少していっているため、余計にサポー 岩井さん> トの不備が目立ったりする訳で。 そういうことでしたか. 岩井さん> (あと、Acroread とか Flash といったオープンソースの鬼門もありますね。 岩井さん> これらはライセンス絡みの話が付くので余計厄介なのです。) なるほど....... 岩井さん> ML に文句を書くのは、フォローが付いて問題解決する場合には役に立ちます 岩井さん> が、だれも反応してくれなかったり、せっかくの情報が埋もれてしまったり、 岩井さん> といった欠点もありますので、現在一番良いのは、結局せっせとバグレポート 岩井さん> を送ることだと思います。(2ch でも同様ですね。) 了解しました. 竹山さんも仰るように,セッセと bugzilla 詣ですることとします. dvi2tty は,日本語パッチが見付かり,それで問題なく動くようですので,早速報 告することとします. xdvi は厄介で,VFlib2 を先ずビルドしなければならず,これがこれが.... VFlib3が何故アッパー・コンパチでないのか..... (_ _? 岩井さん> あと基本的に、「日本語サポート」と「多国語サポート」の違いも意識する必 岩井さん> 要があります。前者は localization が多く含まれるので、開発側からは嫌わ 岩井さん> れる傾向がありますが、後者は internationalization (i18n) として行わな 岩井さん> ければならない事項です。つまり、「dvitty に EUC-JP 出力を含める」とい 岩井さん> うのと「dvitty を i18nize する」とでは、月とスッポンの違いがあるわけで 岩井さん> す。 岩井さん> とかく、「日本語通れば何でもいいや、VINE だとそうやってるじゃん」といっ 岩井さん> た感じで反論されることがありますが、openSUSE では、i18n を主軸に開発を 岩井さん> 行う必要がある、と。 そういう「スタンス」なんですね.(^^) 岩井さん> とはいえ、どこに出すにせよ、始めに書いたように、一番大事なのは「とにか 岩井さん> く口を出すこと」だと思いますよ。 お陰様で,胸の支えが取れました. お忙しいにも関わらず,貴重なコメントを頂戴し,非常に恐縮しています. どうも,有難うございます.m(_ _)m --- 野宮 賢 mail-to: nomiya @ galaxy.dti.ne.jp 「先端技術の開発は、優れた頭脳を持つ人間が集中しないと成功しない。 しかし、技術開発と、それが何をもたらすかを考えることは別だ。 一人の人間に二つは望めない。」 -- M. Crichton -- --------------------------------------------------------------------- To unsubscribe, e-mail: opensuse-ja+unsubscribe@opensuse.org For additional commands, e-mail: opensuse-ja+help@opensuse.org